【店長コラム】創戯旅団 第44夜
私の記憶に残る野球名勝負ベスト7/前編
※2024年12月5日11時45分
野球が大好きな人に取って、思い出に残る名勝負が必ずあると思うんですよ。それは、野球をやってる人と観戦してる人では大きく違うでしょう。どのカテゴリーの野球が好きかも重要ですね。プロ野球が好きな人もいれば、高校野球が好きな人もいます。最近だと日本代表を応援している人も多いと思います。プロ野球なら応援しているチームも違えば世代も違います。さらに応援している選手の違いなんかも名試合のチョイスに影響しますし、それこそ心に響く琴線の振れ幅や質も人によって大きく違うのです。十人十色に試合のチョイスも選んだ理由なんかも、その人の人間性が出ていて面白いですね。勿論、興味の無い人は知る必要がない話しでもあります。人のこだわりや交わりなんて、そんなもんじゃないですか。だから、どんな人の人生にもドラマがあるのだと私は思います。では、私の視点から野球の名試合をチョイスしたらどうなるのでしょう。エレガンスの営業を考えている人間のモノの見方を垣間見る事が出来る企画だと思います。それでは、私の心に残る野球名勝負/エレガンス店長編スタートです。
私の心に残る野球名勝負第7位
2013年日本シリーズ第7戦
楽天ゴールデンイーグルス 3対0 読売ジャイアンツ
最初に言っておきますが、私は三木谷浩と渡邉恒雄の野球に対する考え方が大嫌いです。さらに中日ドラゴンズのファンであり、星野中日が好きだった事もあり、その影響で巨人は大嫌いです。楽天は好きでも嫌いでもありませんが、この時の楽天は星野仙一が監督でしたし、中日から何人も選手が移籍していた事もあり思い入れがありました。星野は中日時代に2度、阪神時代に1度。日本シリーズに監督として出場しながら1度も日本一になれていませんでした。この年のペナントレースでは田中将大投手が28登板24勝無敗1セーブの無双状態で活躍した事も有りパリーグを制覇。巨人との日本シリーズも3勝3敗の死闘を繰り広げ迎えた最終戦。この第7戦の投手リレーは、今まで星野仙一が日本一を逃した反省が見えた気迫の投手リレーだったと思います。辛島ー則本ー田中の豪華な投手リレーでの完封劇は見事でした。そして、星野仙一が悲願の日本一を巨人を倒して叶えたのです。東日本大震災に沈む仙台を大いに勇気づける日本一には感動しましたね。特にハートの熱い星野仙一があの震災の時に楽天の監督だった事には運命というか奇跡を感じさせます。人には後世の人間や思い入れの強い人間の後付けの評価かもしれませんが、適材適所に神様に送り込まれていたりしないかと思わされる時が有りますよね。もう一度言いますが、私は三木谷浩は大嫌いです。しかし、田尾安志、野村克也、星野仙一、平石洋介を監督に据えた人事は評価します。何でしょうね。阪神淡路大震災の後のオリックスブルーウェーブの日本一の時にも感じたマンパワー。しかも、その時に名将仰木彬、イチローが在籍しているのですよ。そして、この年の楽天も名将星野仙一と田中将大が居たのです。不思議な日本一ですよね。去年の夏の甲子園の慶應高校の日本一にもそんなパワーがありましたよね。この年の日本シリーズは私の中でも忘れられない名勝負になりました。
私の野球名試合第6位
プロ野球ドリームトーナメント1回戦第2試合
阪神タイガース 1対0 四国アイアンドッグス
漫画じゃんと言うなかれ(笑)水島新司の描く野球漫画は作者の野球愛溢れる魂の宿った野球漫画ばかりです。そして数多くの野球漫画を描いた水島新司が過去の作品の登場人物を一堂に集めプロ野球で勝負させたのがドカベンドリームトーナメント編なのてす。その1回戦第2試合、阪神タイガース(実存)対四国アイアンドッグス(架空)の死闘が名勝負だったのであります。阪神の先発は男どアホウ甲子園の主人公、藤村甲子園。四国の先発はドカベンに出てくる山田太郎のライバル、不知火守。この2人の魂の籠った投手戦が凄かったのです。結果、藤村甲子園は完全試合目前の9回2アウトから不知火守にヒットを打たれるも1安打完封勝利。対する不知火守は9回ノーヒットで敗戦投手になってしまう死闘は見応えがありました。山田太郎が絡まない対戦になったこの1戦は水島野球漫画の中でも指折りの名試合だったと思っています。不知火守はそんな名試合で負けるのが似合う男かもしれませんね。大甲子園で描かれる山田太郎3年夏の神奈川県予選決勝、明訓高校対白新高校の延長にもつれる試合も、不知火は負けても記憶に残る名勝負を繰り広げていましたからね。このドリームトーナメントで次に阪神は山田太郎の在籍する東京スーパースターズ(架空)と闘いますが、圧倒的にこの阪神対四国の方が面白かったのは不知火守が持つ不思議な魅力からくるものでしょう。
私の記憶に残る野球名勝負第5位
第2回WBC決勝 日本
5対3(延長10回) 韓国
この試合は日本国民の注目を集める試合でした。この大会の特徴としては各ラウンドに敗者復活戦が有り、そのルールがこんな奇跡の展開を産んでしまっていたのです。
第1ラウンドA組2回戦 日本
14対2 韓国
第1ラウンドA組1位決定戦 韓国
1対0 日本
第2ラウンドA組2回戦 韓国
4対1 日本
第2ラウンドA組1位決定戦 日本
6対2 韓国
各予選ラウンドの2回戦で一度日本と韓国が闘い、負けた方が敗者復活戦に回り文字通り勝つ事により蘇り、再び日韓戦が1位決定戦で繰り返される、奇跡の4回対戦を演出していました。そして両国は準決勝を別の強豪国と対戦します。
準決勝 韓国
10対2 ベネズエラ
日本
9対4 アメリカ合衆国
こうしてこの大会5度目の日韓戦となる決勝戦が決まったのです。ここまでの勝敗は2勝2敗で互角。そして決勝戦も死闘となり9回裏の時点で日本が3対2と勝ち越している状態からマウンドにはダルビッシュ勇。しかし、予想外に乱調だったダルビッシュが同点打を浴びてしまい試合は延長線へもつれ込みます。そして運命の10回表。2死からイチローがこの日4安打目となる2点タイムリーヒットを放ち、その裏はきっちりとダルビッシュが抑えて日本が2大会連続の世界一を達成したのです。日本と韓国だけが異様に盛り上がった大会になってしまったのが印象的でした。それにしてもイチローの決勝打は痺れましたね。特に韓国が勝った試合の後に、マウンドに国旗を立てる愚行を韓国が犯した時にイチローが怒りの睨みを向けていたシーンが忘れられません。そのイチロー本人は不振に喘いでいたのに、決勝戦だけは韓国に集中打を浴びせ決勝打まで打つのだから、イチローが歩む神がかった軌跡に驚かされます。この様にあの世界一は日本の選手一人一人にドラマがあったのでしょう。日本愛に溢れる良いチームに原辰徳監督は仕上げたと思いますよ。素晴らしい。
私の記憶に残る野球の名勝負第4位
山田太郎3年夏の全国高校野球大会準決勝
明訓(神奈川) 4対4 青田(千葉) 延長18回再試合
準決勝再試合
明訓(神奈川) 2対1 青田(千葉)
この試合も漫画じゃんと言うなかれ(笑)世代によりハマった野球漫画は違うと思います。巨人の星世代。MAJOR世代。ダイヤのA世代。諸々。私の子供時代は水島新司野球漫画が数多く少年誌、青年誌に連載されていた水島黄金期だったのですよ。ドカベンのアニメが小学生の頃に放映されていましたしね。そして、水島新司の描いた高校球児を一堂に集めて甲子園で闘わせたのが大甲子園という作品なのです。それくらいに、水島新司の野球漫画の量たるや異常な数なのです。この大甲子園にも、ドカベン、球道くん、一球さん、ダントツ、男とアホウ甲子園、野球狂の詩等、錚々たる野球漫画の登場人物が集結していました。松坂大輔と大谷翔平が全盛期の力で高校球児として闘ったら夢の対決じゃないですか。むしろ漫画だから出来る芸当でもあるのです。そして、この明訓高校対青田高校はドカベンの主人公、山田太郎(明訓)と球道くんの主人公、中西球道(青田)が熱戦を繰り広げたのです。その後、現実でも田中将大(駒大苫小牧)と斎藤佑樹(早実)が決勝戦で延長18回再試合を実現させたのですから、実際には現実の方が遥かに熱いのでしょう。しかし、水島野球漫画で育った私は全く別の名勝負チョイスとなるのです。とここまで語っていて思ったのですが、これ1位までを5,000文字で解説するなんて到底無理かもですね。思い入れが強過ぎて、多分1位まで辿り着かない気がしてきました。まだ第4位を語っている最中ですが、試合内容にこれから触れていく段階ですからね。まあ、字数オーバーならば前後編に分離しましょう。4度目の全国制覇を狙う好打者揃いの明訓高校に対し豪速球投手、中西球道率いる青田高校がどの様な試合を見せてくれるのか実に楽しみです。試合はやはり中西の豪速球に明訓の打者は苦しみますが、明訓のエース里中智も粘りの熱投で一歩も譲りません。実力高同士の激しい戦いは9回では決着する事なく緊迫した延長線へ突入します。ここからも明訓が点を入れても青田の脅威的な粘りで追いつかれ試合は延長18回最終回に。ここでも点を取り合う壮絶な試合になるも決着はつかずに引き分けます。翌日の再試合も接戦になりますが、最後は明訓の底力を見せつけられ青田は敗れるのです。数ある大甲子園の熱戦の中でも一番の名勝負だったのではないでしょうか。決勝戦の京都代表紫義塾との闘いも良かったのですが、明訓対青田戦の凄さを上回る事は無く山田太郎たちは4回目の日本一を達成するのです。この山田太郎3年夏の戦いを描く大甲子園は対戦相手の凄さもあり山田太郎各学年の甲子園の中でも、やはり一番面白かったと思います。神奈川県予選決勝の白新戦に始まり、甲子園での対戦相手のゴージャスさはいつまでも色褪せる事はありません。室戸学習塾(高知/大甲子園)、りんご園農業(青森/大甲子園)、巨人学園(東東京/一球さん)、光(西東京/ダントツ)、青田(千葉/球道くん)、紫義塾(京都/大甲子園)と飽きる事も無く全戦を細かく描き切ったのも良いですし、各漫画の主人公との闘いと大甲子園から登場したオリジナルチームの強さもあり水島新司野球漫画の中でも名作に入る作品だったと思います。
やはり、段々と解説もヒートアップしてしまい熱の籠った長文解説になってしまいました。ベスト7の中の4位までしか語れていないのは、最初の野球回となった中日ドラゴンズを語るシリーズ同様に語り部として物足りなくなっているのです。しかも、7位から4位の中に漫画が2つ混入してしまうのが私のベストバウンドチョイスです。こうやって見てみると、ストーリーを重んじる私の性格が出ていますね。一つ一つのチョイスが繋がりを纏めた熱戦になっている所があるので、漫画までが入ってしまっているのです。不良野球漫画系作品も魔球漫画系作品も大好きですが、水島新司の野球愛を上回る評価を下していないところも私の性格が出ています。なので、水島新司作品でも光の小次郎と水原勇気のドリームボールの話しが作中で描かれている野球狂の詩からベストバウンドチョイスがなかったのでしょう。この先のベストバウンド3選はリアルバトルを選出しています。まあ人並みな選出だと思いますので上位の中の1つは皆さんと被ってそうですね。次回も引き続き熱戦を熱く語る野球回の後編をお届けします。それでは、皆さん本日もお仕事頑張って下さい。いつも、皆さんが創戯旅団コラムにお越し下さるのを、楽しみにお待ちしております。See
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